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ゆっくり走り、健康になる  スロージョギングⓇ

ゆっくり走る「スロージョギング」。高齢者でも、体の弱い人でも、いつでも、どこでもできる楽な運動で、健康にも効果が大きいという。田中宏暁福岡大学教授が考案、提唱し、一般社団法人日本スロージョギング協会が普及活動を進めている。201712月、横浜市大倉山で開かれたスロージョギング教室に参加し、同協会認定講師の讃井里佳子さん、有資格者の矢崎浩二さんのお話をお聞きした。

【讃井里佳子さん】

ゆるゆるとしたニコニコペースで

「スロージョギングを考案し、提唱しているのは福岡大学の田中宏暁教授です。福岡大学体育学部(現スポーツ科学部)は40年以上前から、生活習慣病の予防と改善を運動でできないかと研究してきました。それが、激しくない、楽な運動で効果が得られると仮説を立てて研究に取り組んできました。その結果が、ニコニコペースの運動理論であり、スロージョギングです。

 私も、福岡大学で田中先生の下で学び、ニコニコペースで行うエアロビックダンスを指導していました」

 「健康にとって大事なことは、①代謝を上げる、②スタミナをつける、③筋肉を維持すること、の3つです。スロージョギングは、日常生活の中で、この3つが達成できるのがすごいところです。この3つを網羅する運動はそんなにありません。

 スロージョギングはウォーキングに比べ、約2倍のエネルギーを使います。歩くのは、最小限のエネルギーで前に進める手段です。時速7キロくらいまでは同じ速度ならウォーキングの方がエネルギーを使わないので楽です。歩くだけでは、相当速く歩かないとスタミナはつきませんし、かなりきつい運動になってしまいます。スロージョギングはウォーキングくらいの速度でも、エネルギー消費は多くなり、運動の強度は上回ります。さらに、大腿四頭筋、腸腰筋、大臀筋という筋肉を使うので、筋肉を鍛えることもできます」

「スロージョギングのよいところが、安全で効果が出ることです。速く走ると、血圧が上がり、心臓に負担がかかります。乳酸がたまり、きつい運動になります。スロージョギングなら、血圧上げず、心臓に負担をかけなくても効果が得られます。皆さんは、楽したら効果がないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。ハードにやらなくても効果は十分あります。

高齢になると体力が落ちる人が多くなりますが、年齢に関係なく、体力のない人、普段運動をしていなかった人でも、ニコニコペースで楽に体力をつけることができます」

体にも、脳にもよい

「スロージョギングは、体にも、肌にも、脳にもよいことがわかってきています。福岡大学の実験では、高血圧の方の血圧が下がったという結果と善玉コレステロール値が運動によって上がることも確かめられました。スロージョギングは、体力アップ、減量、生活習慣病改善、脳機能の改善、がんの予防などに効果が期待できます」

「ニコニコペースは、自分で『楽である』と感じるペースです。人によって違いがあります。通常は、1分間の脈拍100~120くらいがよいでしょう。おしゃべりしながら走れる程度です。

つま先ではなく、足の指の付け根で着地するのがよいです。歩幅は狭く、小刻みを心がけます。1日30分が目標ですが、連続して行う必要はありません。20分以上継続しないと脂肪は燃えないと言われることがありますが、間違いです。1分*20回のように小分けしてかまいません。着替えなくても大丈夫。いつでも、どこでも、自分のやりたい時に、日常生活に合わせてできるのがよいところです」

【矢崎浩二さん】

ゆっくり走ると脂肪を消費

 「私は通常の速く走るランニングの練習を長い間やってきましたが、数年前にスロージョギングに出会い、速く走るよりゆっくり走った方が体によいことが、よくわかり、今ではのめり込んでいます」

 「走る速度を上げると、心拍数や乳酸値が急激に上がっていくポイントがあります。エネルギー源となる糖と脂肪の消費はその速度までは同じように増えてきますが、そのポイントを超えて速く走ると、糖の消費は急激に上がっていきますが、脂肪の消費は逆に下がっていきます。それはより多くのエネルギーを確保するために糖を優先して使うためです。ゆっくり、長く運動した方が、脂肪の消費に効果があるのはこのためです。

 また、速く走ると、血液による酸素の確保を多く必要とするために、主要な血管を中心に血液が流れようとしますが、ゆっくりと走ることで、毛細血管まで万遍なく血流が流れるため、全身に渡ってやわらかい血管を作ることにつながります」

日本スロージョギング協会 ホームページ

http://slowjogging.org/

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