山下龍男の沿線歴史点描

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沿線歴史点描⑲ 池袋デパート物語  山下龍男

デパート業界が長期低落傾向から抜け出せないようだ。たしかに、百貨店という業態自体の寿命が尽きたのではないかという気もする。少なくとも、現在のデパート数が市場規模を大きく上回っているのは確かだろう。私自身、デパートで買い物することなど数年に一...
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沿線歴史点描⑱ 東上線創世記(3)上州への夢をあきらめ寄居へ 山下龍男

当初は経由を予定してなかった坂戸 大正3年5月、池袋から川越を結ぶという第一の目的を達成した東上鉄道だが、東京と上州を結ぶという遠大な計画からすれば、まだ3分の1にも満たない距離だった。 川越の先、入間川の手前に置かれた田面沢まで敷...
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沿線歴史点描⑰東上線創世記(2) 志木と大和田の駅誘致合戦 山下龍男

前回の東上線の始発駅変更に続いて、今回は東京・川越間のルート決定をたどってみたい。 ●川越街道と新河岸川 江戸時代、川越と江戸を結ぶ交通機関といえば、新河岸川の舟運と川越街道の陸運だ。そして両者には、それぞれ運輸・交易によって財をなした...
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沿線歴史点描⑯ 東上線創世記(1) 起点駅決定までの迷走  山下龍男

東上線の「東上」とは、「東京から武州を経て上州(群馬県)をつなぐ」という当初の目的から名づけられた。最終的には池袋~寄居間のみで完結し、上州への夢は実現しなかったが、東上鉄道計画段階から全通までには多くの曲折があった。今回は東上鉄道起点の池...
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沿線歴史点描⑮沿線団地開発小話(2)長瀬団地と霞ヶ丘団地、二つの団地の現在 山下龍男

スラム化が危惧された70年代 1970年代の後半、30歳を間近にした私は、そろそろ独立して家でも買おうか借りようかと考えていた。そこで何冊か家の買い方・借り方のような本を買い込んだのである。その中に、当時、気鋭の住宅評論家として健筆をふる...
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沿線歴史点描目次 山下龍男

1 東上線、幻の駅 第2号(平成19年6月) 2 東上線創世紀 第4号(平成19年8月) 3 東上線、消えた線路 第6号(平成19年10月) 4 曲げられた路線 第8号(平成19年1...
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沿線歴史点描⑭ 沿線団地開発小話(1) 押し寄せる宅地化の波

純農村地帯だった東上沿線に宅地化の波が押し寄せたのが昭和30年代である。その象徴ともいえるのが「団地」だ。それは人間だけでなく、都会のライフスタイルを東上沿線に持ち込んだ。今回は東上線の団地進出の様子を追ってみよう。 ●公団団地の進出 ...
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沿線歴史点描⑬ 沿線地名・駅名を訪ねて その③  同一地名「福岡」、「松山」など 山下龍男

いきなり私事で恐縮だが、大学入学直後のこと、クラス全員の自己紹介があった。それぞれの姓名と出身高校を述べる簡単なものだが、私の「出身校は松山高校です」の言葉を受け担任は「お、はじめて四国の出身者が出たね」と声を上げた。すかさず私が「いえ、愛...
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沿線歴史点描⑫ 沿線地名・駅名を訪ねて その②  観光地と住宅地に由来する駅名 山下龍男

前回に引き続き沿線駅名地名の話である。今回は、観光地を駅名とするもの、住宅地を駅名とするものを取り上げてみよう。 ●観光地にちなむ駅名 玉淀は、鉢形城下を流れる荒川の清流を観光地として整備し売り出そうという地元民主導のユニークな観光開発...
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沿線歴史点描⑪ 沿線地名・駅名を訪ねて その① 池袋・北池袋 山下龍男

日本国内にある無数の地名の多くは、そのルーツを中世・古代にまでさかのぼることができる。「地名は文化財」と言われるゆえんである。しかし、その一方で現代資本主義の世にあっては、地名もまた商品価値を持ち、ブランド性までも保有するようになっているの...
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