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人があふれる益子陶器市

日帰りバスツァーで益子陶器市を訪れた。前回は15年前で、身内がやきもの販売に関係しており、伝統工芸不況の中、産地の最新動向を知りたかった。志木市に本社のある平成エンタープライズというバス会社が急成長しておりかねがね注目していた。志木発の益子ツァーがあり、利用させてもらった。久々の益子陶器市は、予想に反し、若い人を含めて人であふれ、展示されている陶器も新感覚でレベルアップし、世の中は変化している、と実感した。

平成エンタープライズの日帰りバス旅行
平成エンタープライズの日帰りバス旅行

 3連休中日の11月2日、出発は朝7時。志木から大宮を経由、岩槻から東北自動車道に乗り、北関東自動車道真岡で下り、益子に着いたら11時。早速歩く。益子はさびれているといううわさを聞いていたのに、どこも人、人、人。驚いたのは、30代、40代くらいの若い人が多いこと。私がかつてはるか昔九州の有田に通った頃は陶器市の客のイメージはリュックを背負った50代、60代の女性だった。ずいぶん雰囲気が変わった。

益子大通り
大混雑の大通り

 私は、めぼしい作家探しが目的なので、旧来からの窯元や店舗ではなく、作家が集まるテントエリアを回った。特に、陶芸の丘近くの「縄文広場」と「かまぐれの丘」というエリアに集中した。作品は、作家の創作意欲と感覚が現れ、結構面白く、少し購入した。最後は、「もえぎ」というギャラリーで以前から知っている笠間の女性作家が個展を開いていたので立ち寄った。

益子縄文広場
縄文広場
益子岡本芳久
斬新な作品

 遅いランチは「炉庵」という蕎麦店。庭先で座って待つ。味はとびきりおいしく、値段も良心的だった。

益子蕎麦
蕎麦店「炉庵」

 そこから歩いて、益子参考館へ。益子焼を有名にした、初代人間国宝だった濱田庄司(1894-1978)の住居だったところ。母屋は陶芸の丘に移築されたが、何棟かの古民家、濱田の作品・収集したコレクションが展示されている。濱田庄司の世界を体験できる貴重な場だが、陶器市中心部から距離があるため人は少ない。

益子参考館
益子参考館
益子参考館展示作品

 滞在5時間。東北道大渋滞で志木に着いたら夜9時半。トイレに苦労し、やたらバスに乗ったが、老人には世の中の進化が感じられた小旅行だった。まだまだ焼き物は大丈夫そうだ。