老眼めがね博物館(東京・池袋) 閉店

東京・池袋の「老眼めがね博物館」が2022年3月20日店を閉じた。「老眼鏡270円」など破格の値段と豊富な品揃え、ユーモラスなPOP広告などで知られていた。店主(有限会社幸研代表取締役)の武井豊さんに50年の歴史を振り返っていただいた。

閉店セールでにぎわう老眼めがね博物館

50年前、雑貨問屋から始まる

―ここはいつオープンしたのですか。

武井 今回、創業50年で閉店しました。

―最初からこのようなお店だったのですか。

武井 最初は雑貨の問屋を始めました。昔はおもちゃをやったり、ギフトをやったり、ディカウント商品をやったりいろいろ商材が変わり、平成になってめがねとサングラスが中心になりました。

―小売りを始めたのは。

武井 今このご時世で問屋という商売はなくなってきた みんなメーカー直ですから。うちもめがめをめがね屋さんに納めていたんだけど、だんだんなくなり、アウトレットということでメーカーさんの在庫を安く売るようになりました。10年ほど前のことです。

市価の3分の1

―こちらに置いてある既製品の老眼鏡は普通はどういうところで売られているものなのですか。

武井 今はホームセンターが多い。あとはめがね屋さん。うちが始めたころはホームセンターにはなかったですが。

―普通のめがね屋でも扱っている。

武井 あるところもあります。

―びっくりするような値段ですが。

武井 ここのアウトレットは他の3分の1くらいだと思います。

―どうして安くできるのですか。

武井 たとえばホームセンターに納めた商品が廃番になって新しい商品に変わり、在庫が1万本ありますというのをうちが買ってくる。ホームセンターで1000円で売っているのを、100円で仕入れて300円で売るという感じです。

―製造はどこで。

武井 私は元々福井のメーカーさんとタイアップし、依頼して作っていただいてそれで販売していました。そのうちそれが台湾、韓国、中国に行った。それによって値段がダーッと下がっていった。

12万本の在庫

―老眼鏡でこれだけのアウトレットは他にありますか。

武井 うちが最初で最後だと思います。普通は成り立たちません。うちは倉庫も中2階から3、4階と大きいですから、めがねは12万本入っていました。今回半年かけて閉店セールを行い、ほぼ1万本まで減りました。これを処分して終わりです。

年齢、コロナ、建物の老化

―店を閉じたのはどうしてですか。

武井 年齢、コロナ、建物の老化。建物は75年か80年たっている。元々倉庫ですから、雨漏りはずっとするし、窓が閉まらない。

―社長は何歳ですか。

武井 76歳です。

武井さん

―今までやってきて大きな変化は何ですか。

武井 値段の総崩れ。昔は普通のめがねは3万とか4万円が当たり前で、めがね屋さんは1日1本売ればよかった。今は5000円、6000円。こうなると量をこなせる大手以外生きられません。うちのような既製品でも事情は同じです。

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―コロナの影響は。

武井 若い人は外でレジャーをしないからサングラスが売れない。年配者も警戒して外に出てこない。だからコロナで売り上げは落ちました。

―これからはどうされるのですか。

武井 いろいろめがねに関してお役に立てることがあればやりたいとは思っていますが。とりあえず片付けるのが大変です。

(取材2022年3月21日)

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