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放置自転車

 ややひねくれた意見なので、反発される方もいると思うが、私はいわゆる「放置自転車対策」というのが嫌いである。
 もちろん、人通りの多い場所に駐輪して迷惑をかけるのはよくない。それはマナーの問題である。
 しかし現状は、放置自転車が最大の迷惑事例であるかのように、ほぼどこの自治体も駅前に監視員を配置し、違反車を移動したりしている。画一的な一斉取締り体制である。
 自転車を放置する人も趣味で悪事を働いているわけではない。通勤、通学、所用に自転車が必要であり、それを置く場所が必要なのである。置く場所を確保してやるのも行政の仕事である。それが無理なら、大きな迷惑をかけない場合はある程度大目に見るというのも判断である。
 以前、私が富士見市の行政経営戦略会議の委員をさせていただいた時、若手職員を集め市政への提言をまとめるという試みがあった。私はそのとき、ふじみ野駅の駅前通りを駐輪可能にしたらどうかと提案、若手職員がより実現性の高い形にして提言に盛り込んだが、結果的には不採用になったことがある。ふじみ野駅前のように、歩道にかなりの余裕がある場合は、やり方によって道路の駐輪場化は可能である。
 世の中はすべて細かく、厳しく規制すればよいものでもない。このように、工夫の余地はあるし、大目にみるのがかえってよい場合もあろう。それでは放置が野放しになるというなら、市民の良識が試されていると考えるべき。
 「放置自転車対策」は、自治体の思考停止、創造力不足を示しているうように思えてならないのである。

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