「ふじみ野」は美名か

 本紙の事務所は、富士見市勝瀬というところにあるが、来年から富士見市ふじみ野西と地名が変わることになった。
 ところが、ここから300m行ったところは、「ふじみ野市ふじみ野」である。初めて来た人や配達関係の人は面食らうに違いない。
 どうしてこういうことになったのか。表向きは、住民アンケートの結果ということになっている。回答は「勝瀬」、「ふじみ野」がほぼ同数であったが、総合判断で「ふじみ野」にし、駅の東西で「東」、「西」に分けたという。
 しかし、真相は奥深い。「ふじみ野」の名をめぐる、隣のふじみ野市とのつばぜり合いが背景にある。
 元々、「ふじみ野」の地名はふじみ野駅ができたときに始まった。そして富士見市にある駅だから「ふじみ野」になったというのが、富士見市の主張だ。
 だが、ふじみ野駅はふじみ野市の旧大井地区の住民も利用する。旧大井町と旧上福岡市が合併した際、住民投票で「ふじみ野」が多数を占め、ふじみ野市が誕生してしまった。
 ふじみ野市の命名については、富士見市は、元々富士見市内の駅名であり、富士見市ともまぎらわしいなどと抗議したようだ。
 ふじみ野地区は区画整理によって町並みが整然とし緑も多く、沿線ではいまや最もしゃれた雰囲気の街となり、「ふじみ野」の名はブランド化している。
 ふじみ野市は、いち早く区画整理を完成させ、市名だけでなく町名も「ふじみ野」としてしまう。 富士見市にしてみれば、生みの親であるにも関わらず、「ふじみ野」の名を横取りされてしまったような気分なのである。
 今回、富士見市側の区画整理も完成が近づき地番を決めることになったわけだが、ここで「ふじみ野」を取らないと、富士見市市内から永遠に「ふじみ野」の地名がなくなってしまう。
 そのいう面子の張り合いも、今回の地名決定には働いていたのではないかというのが、私の推測である。
 しかし、「ふじみ野」の地名はそんなに貴重なのだろうか。確かに、地域のグレードのようなものに敏感な国民性で、地名にこだわるのかもしれない。
 今に至る争いを清算するには、両市が合併し、市名を「ふじみ野」とするのが一番であろう。

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