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地域を盛り上げる田舎芝居 南畑お月見一座 (富士見市)

富士見市の田園地帯の公民館で毎年開かれる田舎芝居、「南畑ふれあい劇場」は地元の人達で構成する劇団「南畑お月見一座」の手作りの創作劇公演だ。笑いあり、涙あり、ちょっぴり風刺も効いて、そして何よりアットホームな雰囲気がよい。郷土を盛り上げるのにも一役買っている。2022年6月11日、第24回公演(「テケレッツのパ」)を開いた。座長の岸信次さんと団員の畠山あいさんにうかがった。

第24回「テケレッツのパ」会場案内

平成10年が旗揚げ公演

-この劇団はいつから始まったのですか。

「平成10年(1998)が旗揚げ公演です」

-設立はどんなきっかけだったのですか。

「荒川村(現秩父市)の高齢者の劇『つくしの会』が南畑公民館に来て公演してくれました。それを観た人達が感動して、自分達でもできるのではと有志を集めて立ち上げました」

-どういう思いからですか。

「仲間作りと地域を盛り上げたいということです」

「テケレッツのパ」の一幕

地元の、まるっきりの素人がメンバー

-どういう人達がメンバーに。

「地元の、まるっきりの素人。職業もまちまちで、農業をやっている人、(元)会社員、(元)公務員、現役の市・公民館の職員など。元都電の運転手さんもいますし、駐在のお巡りさんも異動で替わりますが引き継ぎでお月見に入っていただいています」

-地元とは富士見市南畑地区の人ということですか。

「基本は南畑に在住・在勤の人」

-人数は。

「ずっと20人くらいで変わりません。ほとんどやめる方はいなくて、最初からの人が多いです。中には親子2代目の人もいます」

-年齢層は。

「今はほとんど高齢者になりました。40歳で最年少、最高齢は88歳です」

-男女比は。

「女性は4人だけです。男性が多い劇団はめずらしいようです」

-演劇のプロはいないのですか。

「いません。演出もいないからみんなでわいわい意見を出し合います」

地域の問題を取り上げるオリジナルの台本

-台本はどうするのですか。

「第1作(「農家に嫁いで」)から第15作(「だまされないぞ、よ~いドン」)までは団員の秋元節子さん、16作からは同じく木村久志さんが。どちらも脚本の専門家ではありません。木村さんは落語が好きで落語をベースにお話を作っています」

「テケレッツのパ」の一幕、呪文で病人を救う

-中身はオリジナルなのですか。

「秋元さんは、世の中や地域の問題、農家の嫁問題とか介護とかを題材にしたり。振り込め詐欺の寸劇を作ってあちこちで演じたこともありました.木村さんになってからは落語がベースなんですが、現代におきかえて世相を反映させて地域の話題も入れて。地域に根づいていることは変わらない」

-基本は喜劇ですね。

「そうです。いつも皆さんにたくさん笑っていただいています」

道具類は自分達でつくる

-道具類は。

「大道具、小道具全部自前です。団員に建具屋さんがいて作ってくれます。無償です」

-衣装は。

「買ったり、借りたり、縫ったり」

-けいこは。

「例年ですと、10月から毎週木曜日の7時半から10時までびっしりです。みんな仕事で疲れて帰ってきてからですが、楽しみでもあります」

セリフを忘れるのはしょっちゅう

-難しいのは。

「セリフがなかなか覚えられない。こういうのを苦手な人もいます。セリフを忘れるのはしょっちゅうです。あ、またやっている。でもフォローができちゃう。よく言われますが、お月見は本番に強いねと」

-演技っぽくない自然体がいいですね。

「素でやっていることが多いんです。今回の公演も居酒屋シーンはまったくの素でした。でも即興いっぱいで脱線しちゃうと大変です」

「テケレッツのパ」の一幕、居酒屋シーン

-発声がきれいですが、基礎練習をされているのですか。

「やっていません。あまりうまくないですが、そこは素人劇団のいいところかもしれません」

会場はほぼ満席に

-平成10年から毎年公演を開いてきたのですか。

「はい、毎年2月に。ただ昨年2021年はコロナ禍で中止になりました。今年は6月に延期しました」

過去の出し物

-お客さんはどうですか。

「普段は180人から200人ほどの会場ですが、大雪の時以外はほぼ満席でした。今年はコロナ禍で70名ずつ2部制で事前にチケットを配布しました」

-どういう方が多いですか。

「アンケートを取ると、地元地域の方が多いですが、近隣の三芳町とか川越とかからの方も結構います」

-費用はどうされているのですか。

「持ち出しです。入場料ゼロなので収入はないのですが、地域のお祭りに参加して焼きそばを焼いています。それが収入源です」

県から表彰

-賞をとられているそうですね。

「平成21年に県のシラコバト賞、25年に県の文化ともしび賞をいただきました。振り込め詐欺の寸劇を5年間ぐらい続けたのに対しては、東入間警察から感謝状もいただきました」

「テケレッツのパ」フィナーレ

3代目座長、岸信次さん

-岸さんは何歳ですか。

「79歳です」

-いつから座長を。

「平成17年から、3代目です」

-最初の座長は。

「時田初枝さんです」

-岸さんは仕事は元々。

「サラリーマンでした」

-定年になりお月見座に入ったのですか。

「どこで定年になったのか自分ではわからない。ずっと地域で公民館活動をしてきました」

-今後の目標は。

「いつまでも元気で仲良く続けられたらいいですね」

岸座長(左)と畠山さん

お月見一座の歌

-お月見一座の歌があるのですか。

「お月見の歌『ここがふるさと』。みんなで作詞をして曲も南畑に住む方にお願いしました。毎回最後に歌っています」

ここがふるさと

        作詞:南畑お月見一座

      編曲:坂間佐知子

桜にれんげに 菜の花畑

緑のじゅうたん そよ風吹けば

青田からは かえるの合唱

夏は自然の 宝もの

人と人との ふれあいが

みんなの心を つなげてく

思い出して ごらんなさい

ここはみんなの ふるさとなのさ

黄金色した 稲穂の波に

トンボやイナゴを 追いかける

大地の恵みに 夢のせて

生命のかがやき 秋に舞う

人と人との ふれあいが

みんなの心を 広げてく

思い出して ごらんなさい

ここはみんなの ふるさとだから

                              (取材2022年6月)

     南畑お月見一座紹介ページ(富士見市ホームページ)

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