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克元操体法 血流がよくなり体が柔らかく すぐ効果が出る

誰でも簡単にできて、血流がよくなり、体が柔らかくなる。痛みも消える。従来からある操体法をベースにこのような新しい体操を、東京学芸大学名誉教授の池田克紀さんが開発した。現在、柳瀬川駅前の志木サテライトオフィスで教室が開かれている。この体操を、高齢者の介護予防に役立てたいという池田さんにお話をうかがった。

操体法をベースに独自に開発

―操体法とは。

池田 50年くらい前に、仙台の橋本敬三というお医者さんが始めました。今も、そのお孫さんが、仙台で操体バランス研究会という会を運営しています。

―どのような体操なのですか。

池田 気持ちよく体を動かすことに主眼があります。動物はいやなことは絶対やらない。人間だけがいやなことをやる。人間も動物と同じような本能に従った気持ちのよい動きが体を癒すという理論です。どのようにいやな動きを探すかというと、まず動きの診断をする。いやな方とそうでない方がわかる。やることは簡単です。最初は気持ちのいい方に動かす。いやな方からよい方に動かすと違和感が消えるのです。

―池田先生はどうして操体法を始めたのですか。

池田 私はこれに出会ったのは20数年前です。胃ガンにかかり、3ヶ月たち腰痛がひどく、ちゃんと歩けなくなりました。24時間激痛が走ります。何をやっても痛みがとれないので、たまたま知った橋本先生の一番弟子の佐藤武先生に電話をかけた。仙台に出向いて操体法を実践しました、行った夜と次の日の午前中くらいやって、東京に帰ってきた。帰った頃には痛みが完全に消えたのです。私は、これは世の中のためになるかなと思って仙台に通って勉強したんです

―「克元操体法」は通常の操体法と違うのですか。

池田 私は高齢者の健康づくりのために、10数年かけて、これが一番いいという新しいやり方を開発しました。いやな方からよい方に抵抗をかけて動かすと効率がよいのではないかと考えました。まずいやな方に行って、動かし始めたら抵抗を与える。動かないようにして4、5秒たったら力を抜く。これを4,5回繰り返します。

このやり方では、別の方の補助が必要ですので、相対で行うことになります。また、それぞれの運動はシンプルにしました。高齢者の健康づくりに役立つよう、初心者でも誰でも簡単にでき、またお互いに声をかけ合いながらできる今の形にしました。初めて来た人でもすぐできます。時間も短い。自力でやるから痛くはない。

筋肉を緊張させ、そして緩める

―すべての運動は抵抗をかけ筋肉を緊張させ、それから緩めるということですか。

池田 そうです。ただ法則があり、一番曲がるあるいは伸びるところで筋肉を緊張させることが柔軟性を高めるのに最大に効果があります。

―どのような効果が期待できますか。

池田 まず血流がすごくよくなります。筋肉を緊張させると静脈を圧迫し心臓の方に血液が送られます。緩めると、動脈から血液が入ってくる。こうして血液の循環がよくなります。これを何回か繰り返すと全身に血流が回ります。

筋肉が柔らかくなる。筋肉の緊張で脳がそれだけ活性化して筋肉を動かす神経の活動が高まります。だから体は柔らかくなり、体がよく動くようになります。筋肉が柔らかくなると、体の硬かった人が、立って手を伸ばすと手のひらが床にぴったりつくようになる。

体のバランスが元に戻り、動作、姿勢が改善します。筋肉が緩んで関節が元の形に戻りますから、痛みがなくなります。日常生活がすごく快適になります。

―先生が指導されて改善例がありますか。

池田 自分でやってみて、いろいろ信じられないような例が起きています。痛みでやっと歩いていた方が、5分くらいで痛みが消えて普通に歩き出す。あるいは70歳の時から杖につかまって歩いていた81歳の方は、今は足も腰も真っ直ぐ伸びて、どこが痛かったか覚えていないそうです。彼女は月に2回くらいこの体操をしているのですが、それだけで正常化した。

この体操は、今日やってすぐに効果が出ます。明日効果が出るのではありません。

―動きは何種類あるのですか。

池田 40種類くらいありますが、普段はその3分の1くらいをやっていただきます。あまりたくさんやる必要はないです。

―時間は。

池田 教室は90分制ですが、個人的に教えるなら20分あればできます。脳梗塞で倒れた人とかの個人指導で30分くらいですね。

―病気の治療にも使えるのですか。

池田 元々治療法ですが、治療法にも健康法にもなります。プロの整体師でもこれを使っている人は多くいます。

高齢者の介護予防に

―高齢者に向いているようですね。

池田 高齢者の介護予防のために作ったのです。体が痛みなく動けるのが最大のポイントですから。そのためにこれは絶対よいと思い、始めたわけです。

介護施設でも、少しずつ採用し始めてくれています。嵐山町では、町長がやってくれと言ってくれました。草加市でもそのうち始まりそうです。

―先生が直接開いているのは。

池田 小金井市で教室を開いています。

―講師の養成は。

池田 一般社団法人克元操体法協会でインストラクターの養成を行っています。認定講師は今50人くらいです。

教室を全国に広げたい

―先生は専攻は。

池田 健康スポーツ科学で、そのうちのウエルネス、健康心理学、あるいはウォーキングの研究をしていました。

―大学は今は。

池田 私は今68歳で、3年前に退官し、名誉教授です。

―全日本ウォーキング連合会の理事長をされている。

池田 私は、ウォーキングの研究会を最初に立ち上げ、日本ウォーキング学会の前の会長でした。ウォーキングは絶対大事です。

―ウォーキングがなぜ大事なのですか。

池田 知的活動とか人間らしい活動の元になったのは、ウォーキングです。2足歩行になって手を使うようになり、頭脳が発展した。たてに生活すると脳の上に隙間ができて大脳が発達したのだと考えられます。ウォーキングは絶対必要な人間らしい活動です。

―今後の目標は。

池田 教室を全国に広げて、インストラクターの人たちが活躍できる場所を作っていきたい。介護予防のお役にたちたい。早稲田大学の中村好男先生が始められたWasedaウエルネスネットワークでも採用されることに決まりました。惜しみなく、みなさん教えたい。

 

(2015年5月取材)

克元操体法協会 http://www.katsugensotai.jp/
志木サテライトオフィス 048-476-4600

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