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訃報

昨年は、知人、親戚で亡くなる人が多かった。私の旧職場で上司として指導を仰いだだけでなく、日本の経済論壇で活躍し、その名を遺した金森久雄氏と香西泰氏が相次いで(香西氏が先)亡くなった。ともに、雑念が混じらず尊敬と親愛の両方を素直に感じさせてくれる方だった。ご冥福をお祈りします。
知人でもうお二方、世を去られた方がいた。一人は廣吉紀二さん。廣吉さんは、元々安川電機系の安川リサーチの社長を務めていた。私はその頃お会いした。廣吉さんはMBOで同社を買い取り、ウインズセンチュリーという会社を興した。それ以降どのような事業を展開しているのか直接お聞きしたことはない。毎年の賀状などで「うさぎのQちゃん」という本を出され、どうもその本がコンセプトであるらしいとわかっていた。そして、昨年末、喪中ハガキで訃報を知り、奥様に連絡したところ、「うさぎのQちゃん」を送ってくださった。廣吉さんの思いが今になり理解できた。
もう一人は、矢島不二男さんである。矢島さんは、私が新聞社に入社して経済企画庁に配属された時、内国調査課の専門調査員だった。企画庁の内国調査課と言えば、課長は経済白書を執筆する花形エリートである。ただ、矢島さんはおそらく「ノンキャリ」だったのだろう、そうしたコースとは無縁で、いつも机の上に資料を積み上げてコツコツと仕事をしていた。新人で何もわからない私は矢島さんのところに行っては経済のイロハを教えてもらった。
そんな縁で矢島さんとはその後も交流が続いた。矢島さんは退職後、産業考古学というのか、産業遺産を調べたり、訪問したりするグループに参加されていて、時々お誘いいただいた。今年の年賀状の返事を奥さんからいただき、昨年亡くなっていたことを知りました。
香西、金森氏ほど高名ではありませんでしたが、それぞれ、すばらしい、魅力的な人生を歩まれました。合掌

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