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吉見百穴と売店

吉見百穴の売店「発掘の家」

 吉見の百穴には最初小学校の遠足で訪れた。その後たぶん2、3回行ったが、前回の訪問時印象に残ったのは、売店のおじさんの話が面白かったことであった。いつかもう一度聞きたいと思っていて、今回、売店「発掘の家」の大澤康さんにインタビューさせていただいた。康さんは私が以前お話を聞いた方の息子さんのようである。お話で納得した。大澤家は百穴の「地主」なのである。そして明治20年の初めての本格発掘の時の出土品、遺物を所蔵、店で公開している。発掘後ここを訪問した著名人とも交流し、記録を残している。百穴公園内には町の埋蔵文化財センターがあるが、そちらには出土品がないようだ。大澤家は、地主であり、出土品の所蔵者であり、5代にわたり百穴を見続けている。いわば百穴の主である。ここは入場料を払って入ると、目の前に大きな売店があり、ちょっと奇異な感じを受けるが、それにはこのような背景がある。単なる商売ではない。文化財と歴史を知る話の中身と、いかにも昭和を感じさせるお店の風景は、得がたい存在である。

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東上沿線物語
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