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ETC騒動

 高速道路値下げの適用を受けるにはETCの装着が必要だということで、車載器を購入しに行って、驚いた。どこも、お客が殺到して、機器が品切れ、いつ入荷するかもわからないという。
 最初、購入費助成の取り扱い店に行ったら断られたので、オートバックスに回ったが、やはり同じで店員はほとんどなげやり状態だった。
 今回の騒動はあらためて、人々の「駆け込み」意識の強さを認識させてくれる。
 しかも今回は2つの駆け込み要因が重なっている。
 1つは、車載器の購入費用を助成する制度が12日から31日までと区切られていること。テレビなどで報じられ、みんながあわてた。
 第2は、高速道路の値下げが一部は今月の20日から始まること。
 今までは、それほど高速を利用しない人は、約2万円の費用がもったいないと考えていたが、損得が逆転しそうな雲行きに、がぜん行動意欲に火がついたわけだ(自分もそうだが)。
 しかし、今回の制度変更にはわからないことが多い。
 車載器に対する助成は5250円だそうだが、残りの金額は現金払いはできずローンを組まなくてはいけないという。いったい何のため?。おそらく、一部の人だけに助成するのは行政として筋が通らないので、「ローンでなければ変えない人」のために助成をするという大義名分をつけたのではないか。助成の実施主体は財団の名前になっているが、国費が投じられるとみられる。助成するなら、一部でなく、全員に等しくおこなうのが自然であろう。
 またローン金利はいくらか知らないが、金利分はコストが上がり、割引が減じられることになる。これもまったく無駄な手続きというべきである。
 もっと不可解なのは、高速道路の値下げである。民主党の無料化案への対抗策として生まれたらしいが、このような重大な施策について国民的議論がほとんどなかったように感じる。定額給付金より重大な意味を持つのではないか。
 そもそも道路公団はすでに民営化されている。しかも莫大な借金を背負っている。その民間会社の料金をなぜ値下げできるのか。それは、国費、税金が投じられるからである。第1次、2次の補正予算で、向こう2年間、年5000億円の予算が手当てされているという。つまり、道路会社が努力して値下げするのではなく、すべて税金で手当てする。ということは、高速道路利用者を国民全体で補助していると同じことである。
 このようなことが、失業者が増えている状況でとられる政策として、望ましいのであろうか。
 それと、値下げすれば利用者が増える。そのときの差額分と、増収分は、国と道路会社にどう配分されるのだろうか。
 あるいはすべて明示されているのかもしれない。しかし、少なくともマスコミを通して国民に示されてはいないようだ。
 何がなんだかわからないが、今回の騒動は、「ETC特需」という、かなりの景気刺激効果だけは結果としいて持つことになりそうだ。

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