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電子書籍

 米アップル社の携帯端末iPADの発売を控え、電子書籍への関心が一気に高まっている。
先日は、講談社が人気作家京極夏彦の新刊を電子書籍として配本することを発表、これを朝日新聞が1面で報じた。

 ご存知の方も多いだろうが、電子書籍はすでに販売されており、普通のパソコン上でも、携帯電話でも読めるものもある。いわゆるケータイ小説などもその一部だ。実は本紙も、今回の第29号から、インターネット書店fujisanを通して、「デジタル雑誌」としての販売を始めている。
 この電子書籍については、印刷物に慣れ親しんだ人たちから否定的な見通しが多く語られる。確かに当初は画面で本を読むことに抵抗は大きいだろう。
 ただ、私は電子書籍は一般の想像する以上に急速にかつ広く普及すると思う。
 電子書籍には以下のメリットがある。
 第1に、コストが絶対的に低下することである。印刷費、配本、配送費がほとんどかからない。そのため、価格は既存の書籍に比べて大幅に(それこそ桁違いに)引き下げることが可能であり、また印刷コストの壁から出版できなかった多くの書籍・雑誌が一斉に販売される、すなわち供給が飛躍的に増える可能性がある。
 第2に、印刷された書籍、時に雑誌の難点は、保管場所に困ることである。そのため、古い号は廃棄物となる。それが電子書籍なら保存が無限に近くなる。過去のバックナンバーを見るときなど、これほど便利なことはない。
 第3に、検索機能が利用できる。傍線の代わりに何かチェックをしておけば後で参照できるうようなこともおそらく可能になるだろう。
 第4に、文字の大きさが調節できることである。
 既存の出版社、新聞社、書店には電子書籍には消極的なところが多いと聞く。それが普及に懐疑的なこととともに、現在の出版、新聞発行システムにおける利益構造をくつがえすからである。
 しかし、流れは止められない。特に電子化に適している雑誌・新聞から急速に普及が進むと見る。

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