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重度障害者介護に挑戦するユースタイルラボラトリー(本社東京・中野、大畑健社長)、重度訪問介護事業、日中サービス支援型のグループホームを全国展開

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)など重度障害者や難病者に介護を届けるという困難なチャレンジに挑戦している企業がある。ユースタイルラボラトリー(本社東京・中野、大畑健社長)は、重度訪問介護事業を全国展開、この分野で最大手に成長した。また重度障害者向けに日中サービス支援型のグループホーム(ユースタイルホーム)も、急拡大している。同社障害者向け事業について、同社広報担当にお聞きした。

大畑健社長が2012年創業、重度訪問介護、グループホームが基幹事業に

―創業はいつですか。

広報 2012年です。社長の大畑健(たけし)は東京・中野の出身ですが、地元にあった産婦人科が閉院することになり、跡地を役立てられないかということで。お母さんがケアマネージャーをされていたこともあり、高齢者が日中通う通所介護(デイサービス)の施設を作ったのがはじまりです。

ユースタイルラボラトリー大畑健社長
ユースタイルラボラトリー大畑健社長

―大畑社長は元々サッカーに打ち込まれていたのですか。

広報 プロを目指し高一の時一人でイタリアに留学しています。その後大検を受けて大学に行き、外資系証券会社に入社、M&Aや投資コンサルなどの仕事をしていました。その後、起業しています。

―通所介護から始まり、現在はどのような事業を手がけられているのですか。

広報 基幹事業としては、2014年に重度訪問介護事業を開始、2023年に障害者グループホームの開設を始めました。他にも、訪問介護、訪問看護、生活介護、就労移行支援なども手がけています。 

重度訪問介護対象者の3分の1はALS患者

―重度訪問介護(ユースタイルケア)とは。

広報 障害福祉サービスの一つで、障害支援区分4以上の方を対象とします。基本的には24時間、365日、日常生活をするのに介護や介助が必要になる方です。たとえばALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病の方や、事故などで脊椎を損傷されて首から下が麻痺した方など、重い障害のある方です。

ユースタイルラボラトリーの重度訪問介護
重度訪問介護の様子

―自宅に訪問して介護するのですか。

広報 そうです。

―ALS患者が多い。

広報 利用者様の3割強くらいで一番多くサービス提供しています。 

難病や重度障害のある方の介護、誰もやらないなら誰かやるしかないだろう

―重度障害者の介護は、非常に難しい仕事だと思いますが。

広報 介護の領域は高齢の方向けのサービスはたくさんありますが、難病や重度障害のある方の介護はなかなかどの事業者も手がけていません。必要なサービスが必要な方に届いていない状況がありました。誰もやらないなら誰かがやるしかないだろうと。それで挑戦したのが当社です。社長の大畑が最初から福祉や介護に特化していた人だったらこうはならなかったかもしれません。

―具体的にどのようなやり方でそれが可能になったのでしょうか。

広報 医療的ケアと言われるたんの吸引や胃瘻注入は、お医者さんや看護士さんでないとできないと思われがちですが、実は短期間の研修でも医療的ケアの一部は未経験の方からも挑戦していただけるスキルになります。弊社はユースタイルカレッジという資格スクールを全国で展開し、そこで無資格・未経験の方にも重度訪問介護の資格をとってもらい、新たに介護職に参入していただける方を増やしています。

―看護士は同行しないのですか。

広報 最初は看護士さんに見ていただき、これで問題ないですとお墨付きをいただいてから独り立ちする手順です。その後は看護士さんが隣にいなくても介護職ができるようになります。

利用者2500名、重度訪問介護事業では国内最大手

―重度訪問介護事業は今どのくらいの規模ですか。

広報 事業所はFCを含めて今全国に110カ所以上あります。うち直営が54事業所。今ご利用していただいている方が全国で2500名以上います。直営事業所のない県は4つで、現在重度訪問介護事業では国内最大手の事業者になっております。

―重度障害者向けだけでなく通常の高齢者訪問介護もされている。

広報 介護が必要な方は高齢の方が多いです。もちろん介護の相談があれば何らかの制度でサポートできる体制を取っています。

日中サービス支援型グループホーム急拡大

―重度訪問介護と並ぶもう一つの基幹事業としてグループホームの運営をされている。

広報 地域で重い障害の方を受け入れる施設がないという問題があり、グループホーム(ユースタイルホーム)はここ2、3年ですごく拡大しています。

ユースタイルホーム西東京
ユースタイルホーム西東京

―ユースタイルのグループホームにはどのような特徴がありますか。 

広報 日中サービス支援型と言って、スタッフが24時間常駐し身の回りのサポートをします。障害者グループホームは全国にたくさんあるが、夜間だけ支援スタッフがいる施設が多く、日中サービス支援型が1割強しかありません。

―どういう人が入居されるのですか、

広報 やはり障害が重い方です。できれば他で断られてしまうような方の受け皿になりたいと考えています。

2027年までに70施設を計画

―今施設はいくつくらいありますか。

広報 今51ホームありますが、2027年までに70施設を計画しています。今後も増やしていく予定ですので、日中サービス支援型としては国内最大規模になると思います。

―1ホーム当たりの定員は。

広報 男女各10名、計20名のところが多いです。居室は6畳、個室です。

―エリアは。

広報 今は栃木、埼玉、静岡、神奈川県が多いです。

―増加が急ピッチです。

広報 地域のニーズが強いということです。早い段階から住民説明会・見学会などを開き、地域のみなさんにも親しんでいただけるように努めています。

―グループホームはFCは。

広報 FCはないです。ただM&Aというか、他社様からの施設の承継が増えています。

―他の事業として、デイサービスも。

広報 創業事業である高齢者向けの他障害者向けの生活介護も手がけています。埼玉で行田・杉戸・所沢の3施設を運営しています。

―就労移行支援も

広報 働くためのスキル習得から、就職活動、就職後の職場定着までを一貫してサポートする事業です。中野坂上の本社の近くに事業所があります。

売上高280億円、社員約6500名

―いろいろな事業を手がけられて今企業の規模はどのくらい。

広報 今年は売上高280億円を目標にしています。

―社員数は。

広報 非常勤も含め約6500名です。

―短期間でこれだけ伸びているのは、すばらしいです。

広報 まだまだ介護が届いていない人は多いので、がんばりたいです。

無資格・未経験から新しく介護の仕事に挑戦してもらう

―今、介護業界の最大課題は人手不足か思いますが。

広報 無資格・未経験から新しく介護の仕事に挑戦していただけます、無料で資格が取れます、という点が好評です。入職者には、今まで介護職を選択肢として考えていなかった人、他の業界からの転職が多くいます。

―待遇はどうですか。

広報 ヘルパーが長時間サービスをする仕事で、夜勤もあるので、介護職としては比較的給与が高い。仕事にゆったりと関わってお給料も高めということがあります。

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ユースタイルホーム西東京(西東京市)見学

 ユースタイルラボラトリーが展開するグループホーム(ユースタイルホーム)の一つ、ユースタイルホーム西東京(西東京市、2024年開設)を見学し、同社グループホーム事業部エリアマネージャーの渡邉尚幸さんにご説明いただいた。

         

定員20名、6畳の個室

―この施設は何人の方が入居されていますか。

渡邉 定員は1階10名(男性)、2階10名(女性)で計20名の方が入居できます。また1階1名、2階1名の短期入所(ショートステイ)の利用もできるようになっています。現在、1、2階とも満床です。

ユースタイルホーム西東京内部
ユースタイルホーム西東京内部

―部屋は個室ですか。

渡邉 そうです。6畳の広さです。

―トイレは。

渡邉 トイレは1階、2階とも3カ所。浴室も各階2カ所あります。トイレは車椅子の方でも入れる。カテーテルを使っている方もいるので、自身で洗う流し台もあります。浴室は1カ所は機械浴です。

トイレ
トイレ

―食事はどうされる。

渡邉 各階にキッチンがあり、手作りし、食堂・居間で皆さんで食べていただきます。居間のスペースで食事をしたり、くつろいだり、日中活動も。

障害区分で3~6、精神・身体・知的障害が3分の1ずつ

―入居できる条件は

渡邉 障害区分で3~6の方が基本です。障害特性はどんな方でもかまいません。現在入居されている方は、障害区分は平均で4.6。精神障害が3分の1、身体障害が3分の1、知的障害が3分の1というイメージです。

―年齢層は。

渡邉 10代の方から60代。このホームは若い人と高齢の人が2極化して、平均すると40歳くらいです。

―職員は

渡邉 非常勤を合わせて25名。常時いるのは昼も夜も1階2名、2階2名の4名体制です。

―職員は医療行為はできないのですか。

渡邉 たとえば、カテーテルのサポート、取り付けや取り外しは医療行為になるので、訪問看護で対応します。定期的に看護士が訪問しますし、必要な方は重度訪問看護を併用しています。

半数は他施設で日中活動

―入居者は日中は何をされているのですか。

渡邉 約半分の方は、就労支援B型とか生活介護とか他の施設に通われている。残りの方は部屋に残って好きなことをしたり、このように共用のスペースに集まってゲームやレクリエーションのイベントに参加したりしています。散歩もできます。

共用スペースで

―部屋にテレビやパソコンを持ち込んでもよい。

渡邉 大丈夫です

―入居者の負担は。

渡邉 家賃、食費、光熱費、その他合わせて月73000円ほどです。

―入居希望者に対してどういう点をアピールできますか。

渡邉 弊社は元々「すべての必要な人に、必要なケアを届ける。」という理念で動いています。グループホームも、日中まで支援できるこうしたホームが少なかった。今我々はそうした必要な方にケアを届けられるよう、積極的にホームを増やしています。また、弊社のホームは、ホームでの生活で完結するのではなく、地域の他のサービス、就労支援とか、利用者のやりたいことを優先してサービスを提供できるのも特徴かと思います。

グループホーム事業部エリアマネージャー渡邉尚幸さん(右)、
ユースタイルホーム西東京管理者渡辺崇さん(左)

                    (取材2026年9月)